てっぺんのそこ

アラサージャニオタが気ままにジャニーズについて語るブログ。

公取委注意の件を各新聞社はどう報じたのか

 

公正取引委員会が「新しい地図」の3人の民放出演に対してジャニーズ事務所が圧力をかけていたという報道が出ています。

www3.nhk.or.jp

今回公正取引委員会ジャニーズ事務所に行ったのは「注意」。

「注意」とはどういうものかというと下記のページのQ27にあります。

www.jftc.go.jp

また,排除措置命令等の法的措置を採るに足る証拠が得られなかった場合であっても,違反するおそれがある行為があるときは,関係事業者等に対して「警告」を行い,その行為を取りやめること等を指示しています。
 さらに,違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,違反につながるおそれがある行為がみられたときには,未然防止を図る観点から「注意」を行っています。

 

これを読むと今回の件は具体的にジャニーズ事務所が各民放に具体的な妨害行為(違反行為)をしたという証拠は得られなかったが、『違反につながるおそれがある行為』がみられたということのようです。

 

だからこれ、完全に事務所が黒(法律違反)とは言い切れないけれど白とも言えないってことなので、あんまり「違反はしてないのに騒ぎすぎ印象操作だ」って言い張るのもちょっと違うのかなぁと。少なくとも「違反に繋がる恐れがある行為」はあったわけですので。

公正取引委員会における「注意」は「何もなかったようだけど今後もこの調子で気を付けてやってください」という意味ではないです。

「法律違反の証拠は見つかりませんでしたが違反にあたる可能性があるので今やってることは止めて今後はこのようなことはないようにしてください」という意味ですよね?

そもそも芸能関係の問題で公正取引委員会が出てくるなんてこと自体がとんでもなく歴史的なことなのでその意味でも今回の発表はかなり重く受け止めないとまずいのではないかと思います…。

 

 

今回の場合は、3人のテレビでのレギュラー番組が3人の独立後次々と打ち切られていった件に絡んでの調査だったのかな、と推測しております。

具体的には慎吾の『おじゃMAP』(フジテレビ・2018年3月28日終了)や『SmaSTATION!!』  (テレビ朝日・2017年9月23日)

吾郎さんの『ゴロウ・デラックス』(TBS・2019年3月29日終了)

剛の『ぷっすま』(テレビ朝日・2018年3月30日終了)

SmaSTATION!!』は事務所退社直後、『おじゃMAP』『ぷっすま』は退社した年の年度末に終了している。『ゴロウ・デラックス』は退社後もしばらく報道が続いていたものの昨年度末に終了。

また、SMAPのころからほとんど番組での起用がなかった日テレはともかく(良くないけど)、退社後民放で彼らのレギュラーバラエティ番組や連続ドラマは放送していない。

この辺の現状が「ジャニーズ事務所が圧力をかけた」ことが原因ではないか、と疑われた、調査をされていた。その結果具体的な違反行為の証拠(民放局に「3人を使うな」という文書通知やメールを出した記録など)はなかったが、現状としてこのままでいくと妨害になりかねないので、公式に注意を行ったってことなんですかね。

 

まあこの辺の話は公正取引委員会側が正式に文書を出してくれたりしないとわからないんで今回は置いときます。

どっちかというと、各マスコミがこのニュースをどう報道しているのかが気になります。特にテレビ局もある新聞社の皆さん。

というわけで以下で比較。

 

NHK

www3.nhk.or.jp

まずはNHK。9時のニュースでトップ報道をしており、記事もかなり詳細に書かれています。SMAPの説明や、先日亡くなられたジャニー社長の「3名が自分達の決意で異なる道を歩み始めますが、どこにいようとも、又どのような立場になろうとも、彼らを想う気持ちに変わりはありません。」というコメントを記載しているあたりなんか含むものを感じてしまうのは邪推でしょうか。

NHKは今回の注意の理由を「公正取引委員会ジャニーズ事務所が民放テレビ局などに圧力をかけた行為が3人が所属する事務所の活動を不当に妨害する「取引妨害」などにつながるおそれがあると判断したとみられます。」とはっきり書いていますね。

ちなみにNHK、独立後の3人を出演舞台や映画についてのインタビューで取材したり、そもそもブラタモリで剛のナレーションに起用し続けているので、ものすごいどや顔してる気がします。高みの見物感。この調子でプロフェッショナルのSMAP回を再放送してくれ。

 

毎日新聞

mainichi.jp

mainichi.jp

毎日新聞は二本立て。

1つ目の記事はだいたいNHKと同じような感じで、「関係者によると、公取委は、事務所から独立した3人を出演させないよう、テレビ局に圧力をかけた同法(※独占禁止法)違反の疑いがあったとして調査。具体的にただちに違反になるとは認められなかったが、違反につながる恐れがあったと認定したという。」という書き方。

「違反ではないが違反につながる恐れがある」という書き方で、「法律違反ではない」ということを書いているあたりがNHKとの差ですかね。

2つ目は「民放テレビ局幹部」へのインタビュー。これやっぱりTBSの幹部ですかね?

関係者によると、公取委は、事務所から独立した3人を出演させないよう、テレビ局に対し圧力をかけた同法違反の疑いがあったとして調査。具体的にただちに違反になるとは認められなかったが、違反につながるおそれがあったと認定したという。
関係者によると、公取委は、事務所から独立した3人を出演させないよう、テレビ局に対し圧力をかけた同法違反の疑いがあったとして調査。具体的にただちに違反になるとは認められなかったが、違反につながるおそれがあったと認定したという。
関係者によると、公取委は、事務所から独立した3人を出演させないよう、テレビ局に対し圧力をかけた同法違反の疑いがあったとして調査。具体的にただちに違反になるとは認められなかったが、違反につながるおそれがあったと認定したという。

ジャニーズ事務所から明確な圧力を受けたとは聞いていない。ただ制作側が過剰にそんたくする構図はあったかも」とのこと。

ゴロウ・デラックス』を退社後も1年近く続けてくれたTBSですが、番組は結局終わってますので、なんとなくいろいろ考えちゃうコメントですね。

 

③読売新聞

www.yomiuri.co.jp

読売新聞はこんな感じ。

「関係者によると、ジャニーズ事務所は民放テレビ局などに対し、3人を番組で起用しないよう要請。従わない場合、同事務所の所属タレントをそのテレビ局に出演させないことを示唆するなどした疑いがあるという。

 公取委は、同事務所の関係者らから事情を聞くなどして調査を進めていた。その結果、独禁法違反とまでは認定できなかったが、違反につながりかねない状況が確認できたとして、今月に入り、同事務所を注意したという。

 独禁法は、競争関係にある他の事業者とその取引相手との取引を不当に妨害する行為を不公正な取引方法の一つ「競争者に対する取引妨害」として禁止。公取委は、ジャニーズ事務所の行為が、3人が所属する新たな事務所と民放テレビ局などとの取引を不当に妨害することにつながりかねないと判断したとみられる。」

だいたい毎日新聞と同じ「違反ではないけれど違反につながりかねない」という説明ですが、「確認」とか「判断」という言い回しがなんとなく毎日の「認定」よりは語調が弱く感じます。

 

朝日新聞

www.asahi.com

ぷっすま』と『スマステ』の2本のレギュラー番組を終了させたテレ朝系列の朝日新聞の場合、ちょっと書き方がほかのところと違う感じでした。

「関係者によると、ジャニーズ事務所から独立した元メンバーの稲垣吾郎 さん、草彅剛さん、香取慎吾さんをテレビ出演させないよう同事務所が圧力をかけているとの情報があり、公取委が聞き取り調査などを実施。その結果、違反行為は認定できなかったという。

 ただ、こうした行為があれば独禁法に触れるおそれがあると公取委は判断。ジャニーズ事務所に対し、未然防止のための注意を行ったという。

 

朝日新聞の書き方だと、「調査の結果まったくもってシロだったが、未然防止のために注意した」という意味ととらえてしまいそうになります。

ただ、公正取引委員会の「注意」とは前述したとおり、違反行為があった証拠は見つからないがそれに繋がりかねない行為があった場合に行われるものです。朝日新聞のこの書き方は問題があるような気がします…。

 

産経新聞

www.sankei.com

www.sankei.com

www.sankei.com

産経新聞は3つ出てました。

1つ目の記事だと「関係者によると、3人の独立後、ジャニーズ事務所から民放テレビ局などに対し、番組に出演させないよう圧力をかけた疑いがあるという。(中略)

公取委は芸能活動に必要な契約の成立を阻止した行為が事実であれば、この取引妨害に該当する恐れがあるとして関係者から事情を聴いたほか、事務所からテレビ局へ送信されたメールなどを分析。事務所に対し、契約先とのやり取りで圧力をかけたと疑われないよう注意した。」という書き方でした。

「圧力をかけたと疑われないように注意した」という書き方はほかの記事では見られません。この「注意」の使い方、独禁法関係の「注意」じゃなくて、普通の言葉の使い方としての「注意」のような気がするんですが…うーん。

というか、他の新聞だと関係者への聞き取りしか書いてませんでしたが、事務所からテレビ局へ送信されたメールの分析とかもやってるんですね…。

2つ目の方は民放関係者への取材。フジテレビの人たちかな。

「ある民放の関係者は「全く現場レベルにはそのような話は伝わっておらず、びっくりした。確かに『新しい地図』の3人の出演はSMAP時代に比べれば減ってはいたが…」と驚く。

 別の関係者は、「民放各局ともに、3人を起用する番組はそれぞれにあったと思うし、全く3人を起用しないということでもなかった」と同調する。

 さらに別の関係者は「少なくともそんな指示があったなどという話は聞いたことがないが、ジャニーズ事務所に対し、いわゆる“忖度(そんたく)”のようなものが働いていたといわれれば、3人の出演が減っていることなどを考えると、それは否定できないのかもしれない」と指摘した。

 以前から、公取委がタレントとの契約問題などについて、各芸能事務所に聞き取り調査を行おうとの情報があり、これまでテレビ局などへの“圧力”が噂されてきたジャニーズ事務所にも調査が入るのではないかという憶測が流れていた。」

この書き方からして、まあ芸能界や報道の世界ではジャニーズ事務所の「圧力」の話はずっとあって、それに対して公正取引委員会が動くって噂もずっとあったんでしょうね。SMAP能年玲奈さんの件の後、芸能界の契約関係で報告書を公正取引委員会は作成してましたし、昨日今日の話じゃないんでしょうね。ほとんど報道されないから知らない人多そうですけど。

3つ目の記事はSMAPだけじゃなく芸能界全体で契約における事務所とタレントの不均衡な力関係を見直すべきでは、という記事でした。

 

 

 

今TBSの11時のニュースでも取り上げられてたようです。明日の朝のNHKのニュースでもやるようなので、録画しておこうと思います。他のワイドショー系番組は…あんまり期待しないでおきます。

っていうか、私が一番ツッコミたいのは、ここぞとばかりに民放局のニュースで流れている3人の映像ですよ。これ退社後の仕事のやつじゃん!各局取材はしてたのかよ!!取材はしてたのにほとんどテレビで流さなかったのかよ!どんだけ映像ため込んでんの!!??もっと見せなさい????????

 

はー、びっくりしたのでとりあえず自分用備忘録。NHKの記事は一定期間で消えちゃうはずだけど。とりいそぎ。

 

【追記】

事務所からお知らせ出てて草。

 

mainichi.jp外部サイトからのリンク禁止なので直接はれないけど、毎日が事務所のコメント全文出してたのでこっちで代用です。

さすがにこの文章の書き方は草。いや、公正取引委員会に注意されるって年間数件くらいしかない、極めて重要度の高い事例のようなんですが…。

www.jftc.go.jp

www.jftc.go.jp

案件によっては公表されるようなんですが、これ公取委の方から正式にプレスリリースとかあるんですかね…?うーん。

 

【追記2】

b.hatena.ne.jp

はてブへのリンクならぎりぎり許されるかもしれないので貼ってみた。

インターネット老人会が盛り上がってるようで何よりです。

 

あとNHKが追撃をしてきたので貼っておきます。

www3.nhk.or.jp

「民放テレビ局の関係者が、公正取引委員会に対し、「ジャニーズ事務所に所属タレントの出演を依頼した際、事務所の幹部から『元メンバーの3人が関わっている場合は、所属タレントは出演させられない』と圧力をかけられた」と証言していたことが新たにわかりました。

公正取引委員会はこうした情報をもとに、ことしに入って調査を進めた結果、違反とは認定できなかったものの3人を出演させればジャニーズ事務所の所属タレントの出演が難しくなると感じさせる言動があり、将来的に違反につながりかねないと判断したものと見られます。

「一方で今回の「注意」は、独占禁止法に違反するおそれがあるとまでは言えないものの、将来的に違反につながるおそれがあると認められた場合に出されます。

「注意」は違反行為を未然に防止するのが目的で、その多くは口頭で行われるということです。

公正取引委員会は、今回のケースについて、独占禁止法違反と認定できる事実は確認できなかったものの、将来的に違反につながりかねない状況があったと判断したものとみられます。

 昨日の記事と比べるとものすごく回りくどい言い回しになってますが、やっぱり具体的な通知やメールなどの証拠はないものの、「3人を出演させるならうちの子はおたくの局の番組には出しません」と局側が受け止めてしまうような言動を事務所がしていたと公取委は認定していて、だからこそ注意をしたって言い方をしてます。

タイミング的に違反行為も圧力もないと言い切ってる事務所のプレスリリースにくぎを刺してきてるように思ってしまいますが、どうなんでしょうねぇ。